子供の矯正はいつから始める?治療時期は2つに分かれる
相談の時期は、歯並びの状況や、顎の発達の程度によっても異なります。前歯が永久歯に生え替わった時期から、将来の歯並びが想定できるようになりますので、その頃を目安にご相談ください。(大体7歳半前後)
もちろん、何か気になることがあれば、それ以前のご相談も歓迎いたします。
なお子供の矯正「小児矯正」の治療の時期は、大きく2つに分けられます。それぞれ柱となる目的が異なります。
一期治療(5歳~小学校高学年)
顎が成長する力を利用しながら、上下の顎骨の形・バランスを調整し、永久歯が正しく生えてくるためのスペースを確保します。
※「5歳~」と記載していますが、これはもっとも早い場合のもので、平均的なスタートは7~8歳頃となります。
二期治療(中高生~)
永久歯が生え揃った状態から始まる治療です。歯を動かして、美しく機能的な歯並びを目指します。
矯正を始めた方がよい症状
- 出っ歯
正式には「上顎前突」と言います。
上の前歯が、下の前歯より大きく前方に出ている状態です。 - 乱ぐい歯・デコボコ・ガタガタ
正式には「叢生(そうせい)」と言います。 スペースが足りないために歯が前後に重なるなどして、ガタガタ、デコボコとしている状態です。 - 受け口・しゃくれ
正式には「下顎前突」と言います。
下の歯が、上の歯より前方に出ている状態です。 - すれ違い咬合・クロスバイト
前歯または奥歯の何本かが交差している状態です。 - 萌出不全乳歯がいつまでも残っている、または永久歯が適正な時期を過ぎても生えてこない状態です。
子供のうちから矯正を始めるメリット・デメリット
メリット
顎の成長のコントロールが可能
決まったスペースの中で歯を動かす大人の矯正とは異なり、顎の成長をコントロールしながら、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保することができます。
抜歯症例が少ない
これから顎の成長が期待できるため、抜歯が必要になるケースは少なくなります。
癖の改善に取り組める・効果が出やすい
指しゃぶり、舌で歯を押す・触る癖、口呼吸などは、口腔機能の十分な発達を阻害し、歯並びにも影響することがあります。
こういった癖の改善に取り組みやすく、また効果が得られやすいのが小児矯正です。
将来的な矯正治療の治療期間が短くなる・不要になる
小児矯正を行っておくことで、将来的に再度矯正治療が必要になったときも、その治療期間の短縮が期待できます。当然、問題なければ矯正治療そのものが不要になります。
デメリット
治療期間が長くなることがある
小児矯正では、顎が成長し切る15歳頃まで治療または経過観察をする必要があります。そのため、大人の矯正と比べると、治療期間(定期的に通院する期間)が長くなることがあります。
※そのあいだ、ずっと装置を装着しているわけではありません。途中、装置を使用しない経過観察期間もあります。
お子様が装置の見た目を気にすることがある
多くのお子様は、意外と素直に矯正治療を受け入れてくれます。ただ、やはり装置の見た目を気にするお子様もおられます。当院では、目立ちにくい矯正装置もご用意し、お子様のこころにも配慮した診療をしております。
将来的に大人の矯正治療が必要になることもある
お子様のうちの矯正治療を受けていても、大人になってから矯正治療が必要になることもあります。
ただ、その場合、小児矯正を行っていることで、成人矯正の治療期間は短くなることが多いです。
虫歯への注意が必要
装置を使用することで、汚れが溜まりやすくなったり、磨きにくいといったことが起こります。
ただ、治療期間中は、定期的に歯科医院でクリーニングを行い、ブラッシング指導も行いますので、それほど心配される必要はありません。
子供の矯正にかかる期間は?
治療期間は、お子様の歯並びの状態によってさまざまです。
おおよそではありますが、治療を開始する時期ごとの、治療期間の目安をご紹介します。
6~10歳で治療を開始した場合
一期治療、二期治療を受けることが多くなりますので、2~5年くらいの治療期間が必要です。
※装置を使用せず、経過観察をする期間を含みます。
11歳以上で治療を開始した場合
基本的に、二期治療のみを行います。治療期間は1年半~2年半くらいです。
※原則として、この期間はずっと装置を使用し続けます。
歯並びを悪くする癖に注意しましょう
以下のような癖は、歯並びを悪化させる原因になります。気づいたときには、一度当院にご相談ください。
- 指しゃぶり(4歳以降も続く場合)
- 頬杖
- 爪噛み
- 唇を噛む
- 口呼吸
- 舌で歯を触る、押す
- 左右どちらか片側の歯だけで食べ物を噛む
当院で行う小児矯正
- 急速拡大装置(上顎)
固定式の装置です。高い歯列拡大効果が期待できます。スペースが足りず、しかしなんとか抜歯は避けたいという場合にも有効です。
鼻腔も適度に拡大されますので、鼻呼吸の促進(口呼吸の防止、抑制)にもなります。 - バイヘリックス(下顎)
「緩徐拡大装置」と呼ばれる固定式の装置です。弱い力で、下顎の歯を少しずつ外側へ傾斜させます。
叢生、奥歯のねじれ、内側に傾いた歯列などに特に有効です。 - FKO
取り外し式の装置です。筋肉の力を借りながら、顎の成長を促します。
下顎の発達不足に伴う出っ歯(上顎前突)、反対咬合などに適しています。 - インビザラインファースト
透明で薄いマウスピース「インビザライン」を混合歯列期のお子様用に改良した装置です。
1日20時間以上の装着が必要ですが、目立たず、違和感も少なく、快適に使用できます。歯磨きと食事の際には取り外せますので、通常の装置と比べてストレスも少なくなります。 - インビザラインティーン
10代(中学生・高校生)のお子様用のインビザラインです。
メリットやデメリットは、インビザラインファーストとほぼ同じです。
小児矯正の料金案内
※消費税込の表記です。
急速拡大装置(上顎) | 150,000円+調整料2,000円(1回) |
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バイヘリックス(下顎) | 150,000円+調整料2,000円(1回) |
FKO | 150,000円+調整料2,000円(1回) |
インビザラインファースト | 350,000円(来院時調整料 無料) |
インビザラインティーン | 500,000円(来院時調整料 無料) |
※令和5年4月1日改定