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2016.01.28

摂食嚥下障害②

摂食嚥下障害で引き起こること、それは「窒息事故」です。

現在、高齢者の窒息事故は増加の一途をたどっており、約1万人が命を落としています。これは年間交通事故死を約3千人も上回る数で、いかに窒息事故による事故死が多いかをあらわしています。なお、窒息事故による死亡者のうち半分が高齢者による誤嚥(誤って肺にのみこむこと)です。

窒息事故の原因は主に食物ですが、誤嚥の原因となる食物とはいったいなんでしょう?

まず思い浮かぶのは・・・お正月に食べる「お餅」ですね!

でもお餅は第二位。

では誤嚥の原因となる食物の第一位はなんでしょうか??

答えは・・・「パン」です!!

パンは水分を含むと膨れるし、またこの水分と相性が良いのが誤嚥しやすい食べ物といえます。

あとは、「ご飯」「あめ」「だんご」「カップ入りゼリー」などです。

ですから、以上のような食べ物を食べる時は、特に高齢者の方は注意しなければなりません。

「高齢者は嚥下力が低下している」ことを十分に念頭におく必要があります。

これは

①歯が(部分的にでも)無くなったことによる咀嚼力(咬む力)の減少

②味覚などの衰え

③嚥下する時の筋力の衰え

④咳の反射の衰え

⑤体の抵抗力・免疫力の低下

などが加齢的に(年を重ねると)起こるからです。

では、まずそれらを予防するには、どうすればいいのか。

それは「しっかりとした自分の歯を残す」ことです!

何がなんでも歯を抜かず、ぐらぐらしている、今にも抜けそうな歯を残すことでは決してありませんよ(笑)

自分の歯でしっかり噛める高齢者の窒息事故は4.4%

自分の歯でしっかり噛めない状態の高齢者の事故は17.5

義歯を装着することでしっかり噛める高齢者の事故は9.8

というデータがあります。

つまり、まず「しっかりと噛める自分の歯を残す」ことが摂食嚥下障害による窒息事故を予防する方法であり、またしっかり噛めない方は「義歯を作製してしっかり噛めるようにする」ことが重要といえます。

では、ご自分が、もしくはご家族の高齢者の方が「摂食嚥下障害」かどうかはどうやって判断するのでしょうか?

伊丹市 木下歯科 木下勝巳

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