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2016.03.10

妊娠中の歯科に関する注意点

妊娠中に虫歯で歯が痛くなったり、歯肉炎・歯周炎で歯ぐきが腫れたりしたら、どうしたらいいのでしょうか?

そもそも、妊娠中に歯の治療自体を行ってもいいのでしょうか?

答えは、安定期であれば簡単な治療はできます。治療をせずに放置している方がよくありません。ただし、妊娠前期は応急処置のみにしましょう。また、妊娠後期は血圧が低下することもあるので、緊急性(痛みや腫れなど)がない限り無理はせず産後でもいいと考えます。

また、妊娠中期から後期になると、女性ホルモンが増えるため、歯ぐきから出血したり歯ぐきが腫れやすくなります。妊娠性歯肉炎) 出産とともに良くはなりますが、いつも以上に丁寧に歯を磨くことで、炎症を抑えることができます。

歯周病の妊婦さんは、早産や低体重児出産のリスクが高くなることが分かってきました。これは新生児死亡、脳性麻痺、知的障害などの障害を負ってしまうこともあります。高血圧や糖尿病等の生活習慣病になりやすいこと、そしてNICU等における長期間の治療が必要になることもあります。

妊娠安定期にも歯科検診にいき、適切な治療や指導を受けましょう。

 

また、基本的に妊娠中は薬(鎮痛剤や抗菌剤)を飲まない方がよいです。特に妊娠初期は胎児の形成期なので薬の使用は避けるほうが無難です。歯は、妊娠中から出生後までに乳歯が作られます。この時期にテトラサイクリン系の抗生物質を飲むと赤ちゃんの歯を黄色に着色する恐れがあるので注意して下さい。

しかし、薬を使わないことによりお母さんの体に悪影響がある時は、胎児への影響の少ない薬を必要最小限にお出しします。

授乳中の鎮痛剤や抗菌剤の使用は、母乳に薬の成分が入ることは少ないため止める必要はありません。

その他、妊娠中に薬(風邪薬)を飲むと、歯だけではなく赤ちゃんの身体に影響が出る場合があるので、なるべく飲まない方がいいでしょう。

 

歯科のX線写真(レントゲン、CT)撮影による赤ちゃんへの影響はほとんどないと言ってよいでしょう。日本で1年間に浴びる自然放射線量は約1.4mSvで、歯科診療で行うデンタルX線写真撮影(小さいレントゲン)の約150枚分です。

また、防護エプロンを着用することにより、被ばく量を減らすことができます。歯科の場合はお腹から離れていることもあり、胎児にほとんど影響はありません。したがって診療のためにX線撮影は問題ありません。もちろんむやみに撮影する必要もありません。

 

虫歯が多い妊婦さんは虫歯自体が直接赤ちゃんに遺伝することはありません。

虫歯になりやすい歯並びや、歯の質唾液の性質など、遺伝的なものもありますが、むしろ赤ちゃんが育つ環境で左右されることのほうが多くあります。つまり、飲食物、歯みがきなどの生活習慣が虫歯を作ります。

虫歯菌はお母さんから赤ちゃんに移ることが多いので、妊娠中に食生活の習慣を見直して、赤ちゃんが生まれてから困らないようにしましょう。

妊娠中に赤ちゃんの歯を丈夫にするには、カルシウムだけではなく、たんぱく質、リン、ビタミンA、C、Dの栄養素を含む食品をバランスよく取ることが大切です。

以下を参考にしてください。

 

歯       歯の基礎をつくる               たんぱく質  :  卵、牛乳、豆腐

 

歯の石灰化を助ける             カルシウム  : チーズ、ひじき、しらすぼし リン:米、牛肉、豚肉、牛乳

表面のエナメル質を作る            ビタミンA  :  豚、レバー、ほうれん草

歯の象牙質を作る               ビタミンC  :  みかん、ほうれん草、さつま芋

カルシウムの代謝や石灰化に影響する  ビタミンD  :  バター、卵黄、牛乳

伊丹市 木下歯科

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